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日本初記録「ウンブキアナゴ」と命名

日本初記録「ウンブキアナゴ」と命名

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日本初記録で天城町のご当地名が冠された「ウンブキアナゴ」=山田文彦さん撮影

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日本初記録「ウンブキアナゴ」が生息する汽水湖=1日、天城町浅間「湾屋洞窟、ウンブキ」

自然写真家採集、専門家ら断定

天城町「湾屋洞窟・ウンブキ」生息

 
 【徳之島】天城浅間湾屋のアンキアライン洞窟(通称・浅間湾屋洞窟、ウンブキ)で近くの自然写真家が採集したウナギ目魚類の詳細を調べていた魚類専門家らはこのほど「日本初記録のイワアナゴ科の稀種」と断定、新標準和名も「ウンブキアナゴ属・ウンブキアナゴ」と命名。近く日本魚類学会誌でも発表する。同発見者らは「標準和名にご当地名が冠せられるとは」と驚嘆している。

 「浅間湾屋洞窟」「ウンブキ」(方言で海の崖や谷の意)は、海岸線から内陸部に約400㍍地点にぽっかりと開いた洞窟。開口部では潮汐に合わせて水面が上下するため、地下で海とつながっていると予想される。開口部崖下からは湧水(淡水)が流入して地下で海水と混ざる汽=き=水の水塊(アンキアライン)を形成する特殊な環境にある。

 発見・採取していたのは同町浅間在住の自然写真家・山田文彦さん(47)。2011年11月11日夜、同洞窟で国内3番目の発見ともなったリュウグウモエビ属の一種のトラップを仕掛けた際、1個体の見慣れないウナギ目魚類(体長約45㌢)も偶然採集。自身のブログ「徳之島自然日誌」で同写真を見た沖縄県内在住の洞窟ダイバー(甲殻類研究家)が「ウナギ状の生物があやしい。初めて見た」などと連絡してきたのがきっかけ。

 山田さんの依頼で同標本を約2年間かけて詳細調査して共同論文にまとめたのは、神奈川県立「生命の星・地球博物館」の瀬能宏専門学芸員、三重大学付属水産実験所の日比野友亮さん。論文では「日本から初記録であると同時に北限記録となる」。さらに「本種は特殊な生息環境(アンキアライン)に生息するがゆえに採集される個体数が著しく少なく、形態的知見に乏しいため、徳之島産の標本を詳細に再掲載した」ことも強調。

 同定などを試みた上で、「本種には標準和名が与えられていないため、生息環境にちなみ『ウンブキアナゴ』(新称)を提唱。属の和名タイプ種であり、日本産の種でもある『ウンブキアナゴ』に基づき『ウンブキアナゴ属』(新称)とする」と結んでいる。日本魚類学会の魚類学雑誌でも近く発表予定という。

 同洞窟は、天城町当局が11年度からの2年継続事業(奄振・観光連携整備事業)で「陸の中の海『ウンブキ』」として再整備し一般開放中だ。山田さんは「初発見の個体はその形状などから命名されるのが一般的だが、まさか地元地名がつくとは意外だった。天城町のご当地名を冠した生物名が全国に通じることは素晴らしい。名所としての興味や価値も高まると思う」と声を弾ませた。

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