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和泊町新庁舎建設問題

和泊町新庁舎建設問題

現場から:庁舎建設
庁舎建設の議論が続く和泊町役場庁舎

規模縮小求める住民の声

説明会終了 町側は計画進める意向

 7月29日、4日間にわたる和泊町新庁舎建設事業・財政状況住民説明会が終わった。延べ約250人の住民が、町の財政状況と庁舎建設事業について行政側の説明に耳を傾けた。質疑では、住民から財政状況について情報提供の不備を指摘する声や、将来の財政負担を考え庁舎規模の縮小を求める意見が相次いだ。

 現庁舎は築61年。老朽化によるコンクリートの劣化や庁舎の分散による利便性の悪さ、耐震性不足などの理由で建て替えを迫られている。

 町では、2010年に役場内に庁舎建設プロジェクトチームを立ち上げ議論を開始。14年5月、基本構想の策定に向け地域の代表者や有識者など27人で構成される新庁舎建設基本構想策定委員会(全7回)を開催、同年9月には住民3000人を対象にした庁舎整備に関する町民アンケート(回答者1417人、回収率47・2%)を行った。

 15年6月に町ホームページで公表された基本構想によると、建設地は現在の庁舎敷地内に決定し、延べ床面積4746平方㍍で地上3階建てを想定。事業方式は、民間資金を活用したPFI事業(リース事業以外)を用い、総事業費は上限額20億3千万円を見込んでいる。

 しかし、町の財政状況は、26年度の経常収支比率97・0%、実質公債費比率16・6%、将来負担比率141・7%と、三つの指標で県内ワースト1となっている。庁舎計画の再検討を求めている同町在住の菅村和子さん(66)は「庁舎の建て替えは必要だが、今の計画では将来、住民の負担が大きくなる」と話す。5月23日の議会報告会では「町は多くの借金を抱えているのに新庁舎を建設して大丈夫なのか」「人口減少を考え、無駄のない設計になっているのか」などと訴えた。

 菅村さんを含む10人のメンバーは「明日の和泊町を考える会」(脇田清一郎代表)を立ち上げ、住民説明会の開催を伊地知実利町長に要望した。

 7月26日から始まった住民説明会では「町の財政が、こんなに悪いとは知らなかった。知っていれば町民アンケートの結果も変わっていたのでは」「高齢者は、ホームページで公表された基本構想を見ることが難しい」と、行政側の情報開示の方法に住民から不満が続出。役場担当者は「情報の提供に足りない部分があったことは反省している。ただし、策定委員会の実施や区長会への情報提供なども行いながら計画を進めている。役場だけで決定したことではない」と理解を求めた。

 多くの住民が質問した庁舎規模について、担当者は「事業者との契約締結後、想定した規模を参考にしながら精査し最終面積を確定していく」。アンケート調査の再実施については「アンケートの結果は町民の大きな意見であり、改めて行うことは考えていない」と答えた。

 前田修一副町長が町の財政状況について触れ「町の財政指数は、極端に悪くなっているわけではない。市町村合併で合理化が進み、他自治体の財政が相対的に改善され本町が不名誉な順位になっている」と説明した。

 現在、庁舎建設計画は事業者の募集中で、7月20日にグループ1社から事業の参加表明書が町に提出された。伊地知町長も説明会の中で計画を進めていく意向を示し、17年10月の工事着工を目指している。

 考える会では、身の丈にあった庁舎規模や地元企業が潤う方策などを考えてもらえるよう町に要望していく予定。説明会終了後の菅村さんは「住民にとって行政を考える良い機会になった。建設場所や規模については再検討してもらいたい。今後の計画の進み方をしっかり見ていく」と話した。
(逆瀬川弘次)

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